二、お手伝いさせていただきます!

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「へえ……じゃあ遠慮なく殴れるな。警察に過剰防衛だって言われるかと我慢してたが」 「や、やめて、もう十分したでしょ」 平然と腕を折った彼を見て、震える声で止めた。 「……あんたがそんなに怖がってなければ、これ以上はしたくなかったけど」 「清伍くん」 「っせーな、離せ、精華!」 俺が清伍くんを止めたのとほぼ同時だった。 折られた腕を押さえながら、全身を使って男が体当たりして精華さんを突き飛ばして駆け出していく。 「子猫ちゃんを連れて行かないと俺の方が危ないんだっての」 「ひ、ひぃっ」 走り出した男がこっちに向かって走ってくる。 ぎゅうっと目を閉じたら、襲ってくる様子はなく……代わりに男の叫び声と地面に倒れる音が響いた。 「警察呼べ、精華」 「は、はい」 「清伍、落ち着きなさい、話せばわかる。いきなり乱暴などせず――」 シュッと音がするとともに、実朝さんの頬に赤い線が走った。 みると折られた手はだらんとぶら下げたまま、反対の手でナイフを持って笑っていた。
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