二、お手伝いさせていただきます!

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「お兄ちゃん、もうやめて!」 「こいつが無理なら、義仲を連れ去るぞ!」 「お兄ちゃん!」 「……いい加減、調子に乗ってんじゃねえよ」 ナイフの先端を握り、清伍君がその男の首を掴むと持ち上げた。 「俺の大事な家族を、大事な先生を、薄汚いてめえが好きにしていいわけねえだろ。殺すぞ」 「あ…あが……っ」 白目を向き、泡を吹いた男が倒れるのと警察が来るのは同時だった。 「せ、清伍くん! 血、血がっ」 「うるせー」 駆け寄った俺を、清伍君は振り払う。 「てめえも男なら、自分の身ぐらい自分で守れよ! ――心配で、危なっかしくて、こっちが死にそうだ、馬鹿が!」 「……ご、ごめん」 怒鳴られて怖いはずなのに、なんだか優しくて、言葉はきついのに嫌じゃなかった。 「ありがとう、――清伍くん、ありがとう」 じわりと広がった涙と、パトカーのサイレン、そして騒がしく集まる野次馬の声。 その中で左手から血を流しつつ、俺を真っすぐ見る清伍君がいた。 ……視線が逸らせなかった。 「清伍、車に乗りなさい。医者に行こう。……うわあ、これは縫うんじゃないかな」 「ってぇ。くそ。超だせえ」 「すいません、被害者の方ですか、話を聞きたいので手当てを終えてからお話を。連絡先と病院名と」 「分かってる」
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