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「清伍くんが帰ってくるまで、ダンボールの荷ほどき手伝いますよ。ポット、探しましょう」
「いえ、悪いです。段ボールはそのうち、忙しくないときにしますので」
「いつも忙しいですよね、いいですよ」
任せてくださいと笑うと、実朝さんは心配げに目尻を細めるだけだった。
それでも、段ボールに何も記入していないから、キッチンの道具が寝室の段ボールに入っていたり、ソファの隣の段ボールに夏服が入っていたりと、ティーポット探しは難航した。
「遅いですね。清伍君の怪我、そんなにひどいのでしょうか」
「あ、ああ。警察の事情聴取も受けてるからだとうよ」
そういうと、大きなあくびを隠そうともせずしてソファに寝転んだ。
「実朝さん、眠かったらどうぞ俺の膝枕で」
「そんな、悪いよういいから、君は」
「お願いします。今、ちょっとまだ怖くて」
身体の震えを感じ両手を見る。まだ恐怖で震えている。
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