二、お手伝いさせていただきます!

26/51
前へ
/199ページ
次へ
「清伍くんが帰ってくるまで、ダンボールの荷ほどき手伝いますよ。ポット、探しましょう」 「いえ、悪いです。段ボールはそのうち、忙しくないときにしますので」 「いつも忙しいですよね、いいですよ」 任せてくださいと笑うと、実朝さんは心配げに目尻を細めるだけだった。 それでも、段ボールに何も記入していないから、キッチンの道具が寝室の段ボールに入っていたり、ソファの隣の段ボールに夏服が入っていたりと、ティーポット探しは難航した。 「遅いですね。清伍君の怪我、そんなにひどいのでしょうか」 「あ、ああ。警察の事情聴取も受けてるからだとうよ」 そういうと、大きなあくびを隠そうともせずしてソファに寝転んだ。 「実朝さん、眠かったらどうぞ俺の膝枕で」 「そんな、悪いよういいから、君は」 「お願いします。今、ちょっとまだ怖くて」 身体の震えを感じ両手を見る。まだ恐怖で震えている。
/199ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1045人が本棚に入れています
本棚に追加