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「じゃあ、お願いしようかな」
ふわりと実朝さんの香りが近づいてきて、なんとも言えない幸せな気持ちになる。
やはり彼の匂いは素敵だ。
「風月先生は可愛らしくて、なのに大きな壁があって、なのに懐っこいし、たまに綺麗だなって思ってたんですよ」
「何ですか、それ」
「髪を撫でてください」
彼みたいな大人の男性にそう言われ、恥ずかしながらも頭を撫でる。
すると彼はうっとりと目を閉じた。
「君に清伍も私も惹かれてしまうのは、プレミア種だからでしょうか。義仲は人間の私が混じってるので純粋じゃないんですが、貴方はきっと純粋なんでしょうね」
「さ、実朝さん」
優しい。俺の存在すらも認めてくれていて、本当に優しくて素敵な人だ。
額に手を当てながら、なぜか俺の方が浄化されそうなほど心地よかった。
気づけば、寝息を立て始めた実朝さんを見た俺も、うとうとと眠りの世界へ片足を惹見だしていた――。
「なにしてんだよ」
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