おとなりさん（たち）が、好きすぎて！

一、 一人暮らし始めます！

　嫌な気分は引きずっても仕方ない。
　引っ越し先のマンションには、おじさんが粗方荷物を移動してくれていた。

寝るのは毛布一枚包って寝ればいい。それだけで落ち着く。

幼稚園からバスで二個先にあるマンション。一人暮らし用の小さなマンションなので、保護者と被ることはほぼない。

念のためにオートロックだし、エレベーターには中の様子が分かるようにモニターがついていてボタンの下で２４時間見えるようになっている。

下りる専用のエレベーターと上り専用の二つのエレベーターのおかげで、人に擦れ違うこともほぼない。

おじさんの友人が管理人だから、俺の秘密も話したうえでこのマンションを進められたのだ。

「今日はもう、お弁当でいいや」

一階のテナントにあるコンビニでお弁当を物色しようとして中に入った瞬間、漫画を読んでいた怖い人が俺を見た。

まあ、怖い人というか、息子さんなんだけど。