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ある年の晩夏……
OLの美加(19)は、E県にある実家へ五日間だけ帰ることになった。
祖母のタネが亡くなったので、葬儀が行われることになったためだった。
実家は、かなりの旧家で、都会ぐらしに慣れてきた美加には、少々なじめない感じがしていた。
それでも何とか無事に終了し、明朝には発つことになった前夜のこと……
美加が、祖母が寝室にしていた「離れ部屋」で布団に入った直後だった。押入れの方で誰かの声がした。美加は、
――出ちゃったかしら……――
と思いながら、押入れに背を向けて目を閉じた。
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