家族

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「フィルムの方はどうなってます?」 俺は小林に、フィルムの入った箱を渡した。 何故か俺が昔処分したはずのエロ本の間から出てきた謎の箱は、黄ばんではいたが中身は無事だった。 「ふ~ん、大雑把な先輩にしては綺麗に保存してましたね」 「小林ぃ、ドロップキックの餌食にしてやろうか」 「先輩、膝痛いんだから無理しないで下さい」 軽くいなされた。 「先輩、電気消して下さい。そこの壁に映してみますよ」 「おま。一緒に見る気か。ノーカット無修正なお宝映像を」 「興味あるに決まってるじゃないですか。ビデオの録画もできない先輩にこれ触らせたくないし」 小林は修理した映写機に頬ずりしそうだ。 俺は無言で電気のスイッチを切った。
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