家族

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映っていたのは、一糸も纏わず、無闇に走り回る俺と妹の在りし日の姿だった。 無声だから、場がもたずにただひたすら動き回っている。 それに飽きたらテレビのお笑い番組のマネを、変顔のまま次々に繰り出す。 「想像はついてたけど、先輩、昔のままですね」 「溢れる知性をああやって敢えて押し隠しているんだ。もう一つ箱があるだろ。そっちいってみよう」 小林は、ハイハイと言うとおりにしてくれた。
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