1 それが彼女との出会いだった

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2017年9月1日、時刻は21時45分。 今日、自分の人生を終わらせようと思って星空がよく見える橋に来た。 谷底が見えないそこは絶好の死に場所だ。 ふと隣に気配を感じる。 女子高生だろうか、僕と同じうつろな瞳をして、谷底を眺めていた。 ああ、仲間だ。 僕は瞬時に理解した。 僕らは目が合って、互いのひどい顔を見て不器用に笑った。 女子高生が手すりに手をかける。 僕も続く、その筈だった。 女子高生が落ちていくその前に、体は動いていた。 あろう事か、死のうとしていた僕は死のうとしている女の子を、救けたのだ。
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