2 暗闇の中で、もうずっと迷子になっている

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終電まではまだ時間があった。 エマと別れて少しばかり歩いてから、適当に立ち止まって煙草に火を付ける。 灯りがほとんどない道に小さな光が浮かんだ。 意識したことは未だ嘗てなかったのだけれど。 「確かに、少しでも灯りがある方が、気分は落ち着くな.....」 金曜日に出会って、今日でたった二日目である人間の何が分かる。 どうして、もっと話していたいだなんて。 あんな子どもの隣が、居心地が良いだなんて。 フィルターまで達した火が指に触れ、熱さで思わず煙草を落とした。 深く、深く溜息を吐き出す。 地面の吸殻を足の裏で踏み潰し、携帯灰皿に突っ込むと僕は再び歩き出した。 次に会えるのはいつだろうかと、頭に過ぎった疑問を掻き消すように僕は緩く首を振った。
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