死にたがり同盟

2 暗闇の中で、もうずっと迷子になっている

予想外の言葉にどう答えるか思考を巡らしたが、何も思いつかなかった。

むしろ自分がヘビースモーカーなのはそういう気持ちが根底にあったからなのだろうか、と考え込む始末。
いや、そんな訳は無い。

「そんな風に考えたことなかったよ」
「なんだ、違うの？」
「煙草は.....吸い始めたのは成人してすぐだけど、ただ何となく大人の真似しただけで。吸ってみたら、イライラしなくなるし」
「シノブさんのことだから何か深刻な理由あるかと思った」
「金曜に出会ったばかりの人間の何が分かるんだ.....七年経過するうちにいつの間にか暇があれば吸うようになってたっていうつまらない理由」

「ほんとつまらないね」とエマが興味なさげに呟き、この話題が終了したことを理解する。

ぎゅうぎゅうに詰まった携帯灰皿に煙草を押し込み、即座に次の煙草をつまみ出す。