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「死にたくなったから此処に来た」
「.....死にたがりだからね」
「うん。ま、私もよく分からないよ。死にたいけど生きてる。逃げたいけど逃げない。学校にも行く、バイトもする、嫌いな親のいる家に帰る。でも早く死にたい。ならさっさと死ねばいいのに、そうしない」
「それは.....僕が止めちゃったせいもあるよね」
「関係ない。だったらあの後、シノブさんがいない時に飛び降りたらいいでしょ。矛盾だらけ、よく分からない」
──だから、此処に来る。
彼女の発した言葉と、僕が胸の奥で呟いた言葉が重なる。
「此処は不思議なところだよ。シノブさんと会ってから、更に不思議。何でか一人でいても心は落ち着くし、シノブさんがいる日は余計に穏やかになる」
「いつでも飛び降りれるし」
「ふふ、そうだね」
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