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「生きていればいつか良いことあるって、そのいつかはいつなんだろう。生きてさえいたら人生どうにでもなるって、それは自分が上手くいったからだよ。私のこれからなんて私にすら分からない。幸せが待っているかもしれないし、そうでないままかもしれない。どうせ今も暗闇にいて、いったいいつ抜け出せるのかなんて分からない。私は今が辛い、今を投げ出したい、今から逃げたい」
早口に一気に捲し立てたエマは小さく溜息を吐いてから俯いた。
来るかも分からない幸せには縋れない。
それを待つ間の苦痛は多分地獄にも似ている気がする。
僕らはこの人生を終わらせたいと願う。
暗闇にいることが変わりないなら、何となく生きている虚しい今を捨てたいと思う。
「それにしても、独りぼっちか」
ぼんやり呟いた僕の顔を、エマは覗き込んだ。
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