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しかし、――社長はさらにその先、俺の及びもつかない場所へと進もうとしていた。
「でも、もっと奥…こっちが、子宮に続く、膣です」
腹に手を置いたまま、ちょうど掌の下あたりの直腸を探られ、性器の先端が襞に隠されていた小さな裂け目を強引にこじ開ける。
「あぅ…っ」
肉杭が、かつて一度も拓かれたことのない未知の場所へと押し入ってきた。後孔よりもさらに狭い入口を抜け、そこから続く隘路を暴虐な雄に侵される。
「――ッ」
悲鳴も出ないほどの甘美な痛みに襲われた。苦しくて痛いのに、しかし感じるのはそれだけではなかった。痛みすら快感と捉えるΩの業に、頭がどうにかなりそうだ。
オスに犯されて、躰がどうしようもなく歓喜に震える。
「君の処女膜をぶち抜いて、もっと奥に注いであげます」
ロマンチストの皮を被った処女厨な変態がうっとりと笑い、なんの呵責もなくみしみしと薄い膜を破って最奥に到達した。
「っっぃぃぃいーーっ!」
痛みなのか快感なのかどちらのせいかもよくわからない涙が溢れ、ぼろぼろと両目から零れ落ちた。
「……涙と鼻水でぐちゃぐちゃですね」
「ひっ…痛っ、ぐすっ…ううっ、あぅ…」
「まるで、出会ったときのようだ」
水の膜で歪んだ視界に、舌で涙を掬いとって満足げに微笑む社長が映る。
それが、十年前の、まだ学生だった頃の彼の姿とダブった。
あの時――。
生徒会役員で御曹司でエリートで賢くて……とにかく、俺の印象では副会長はいかにもプライドが高くて周囲の人間を見下しているような高慢ちきでイケ好かないαだとばかり思い込んでいたから、てっきり彼が怒るか不快感も露わに嫌悪するか……どちらにせよ碌な対応はされないだろうと決めつけていた。
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