運命のつがい

95/96
2326人が本棚に入れています
本棚に追加
/129ページ
「あぁ…ひらいて、いるっ…また、君の、ここに入れる…なんて…!」  夢川の感極まった声を背中越しに聞いた気がした。 「っ――!!」  瞬間、めりっと隘路(あいろ)に太い亀頭がめり込んできた。  もはや悲鳴すら発せず、俺はネクタイで縛られたままの手でシーツを力いっぱい掴む。 「…ッ…ァ……!」 「あぁ…きみの…なか…だ」  ゆるゆると夢川はすすみ、こつんと終着点にやさしく口づけた。 「もう一度…ここに私の種をまいてあげますね、――わたしの愛するつがい」  そのうれしげな、狂乱をはらんだ声に、俺の躰が、期待と喜びに打ち震えた。  愛するつがいの指が、俺のうなじに触れ、うっとりと続ける。 「そして、ここにわたしのしるしを、今度こそ刻んであげます」  ――(つが)う真の意味は、魂の捕縛。  αはΩを呪縛する。  どこにも逃げられないように、一生の繋がりをその魂に刻む。  それが、番の(あかし)。  その夜、俺と夢川は、正式に番となった。  俺はその生涯を、夢川と共に生きると魂に誓った。  本当に好きな相手と番関係を結ぶことができるΩは、時代が進んだ今でも、世界の中で、まだほんの一握りに過ぎない。  ――この日の俺は、たぶん、世界で一番幸せなΩだった。  
/129ページ

最初のコメントを投稿しよう!