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翌日。
良く眠れない上におかしな夢ばかり見て、今年最後の朝はさわやかな目覚めとは程遠いものだった。
「むーん……眠い」
目覚まし時計を見るとまだ七時前。お父さんが鼻唄をうたいながら階段を下りて行く音が聞こえてきた。貧乏ヒマなしの桜木家は、大晦日の本日もしっかり営業する。こんな年末に部屋を探しに来る人なんていないんじゃない? と思っていたけど、年内の仕事が終わって休みに入り、時間ができたところで新しい部屋を探しに来る人は毎年一定数いるんだ、ってむっちゃんが言ってた。
家族のみんなが仕事ということは、今日の私は家政婦決定だ。といっても大掃除は昨日のうちにだいたい済ませたし、お正月に食べるものはお母さんにお任せだから、あとは普段通りの家事をこなせばいいだろう。
朝ごはんを食べて洗濯機をまわしながら掃除機をかけていると、エプロンのポケットに入れていたスマホが震えた。誰からだろう? と何気なく画面を見た私は、『Ryouhei』という名前と『おはようございます。先日は』という表示にハッと息を飲んだ。
なんとなくギクシャクしたまま別れてそれきりだったから、片倉さんの気持ちがどう変化したのかは気になる。掃除機を止めて少しドキドキしながらLINEを開くと、送られてきたのは次のようなメッセージだった。
『おはようございます。先日は年甲斐もなくご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。反省しています。バカだなぁ、と一笑して忘れてもらえるとありがたいです』
『ところで、明日は忙しいですか? もし時間があれば一緒に初詣へ行きませんか?』
あら、初詣?
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