第9章 game~策略~

18/28
前へ
/241ページ
次へ
「ただ!これはあくまでも可能性の話です!実際何をしてるかなんて分かりません!週明けもう一度彼に確認しますし……」 「そうか……」 哲也は電話の向こうに念を送った。 沈黙は、哲也の鼓動を速くした。 頼むから…… ふたりにとって都合いい方向に…… そして長い沈黙の末、部長は口を開いた。 「……では『可能性の話』に留まったら、今回は目を(つぶ)ることにしよう」 なんとか最悪の事態は免れたようだ。 哲也は、ほっと胸を撫で下ろした。 「ありがとうございます……」 「仕事帰りのところ、悪かったね。じゃあ、また週明けに」 部長は電話を切り、携帯電話の画面を見つめた。
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加