第9章 game~策略~

20/28
前へ
/241ページ
次へ
(3) かれこれ10分くらい経っただろうか。 優希は、まだ泣いていた。 というより、泣くしかなかった。 突きつけられた真実が悲しくて…… 何もできない自分が情けなくて…… 今まで蓋をしていた感情が止めどなく流れてくる。 広い倉庫にひとりぼっち。 聞こえるのは、すすり泣く自分の声と、カチカチと鳴り響く爆弾の音だけで…… ギギギギ…… そのとき、もうひとつの音が優希の元に届いた。驚いて音のする方に目を向ける。 倉庫の扉が開き、外の光が一気に入ってきていた。そこにあったのは、見覚えのあるシルエットだった。
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加