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「大神拓也……死んでなかったか……」
その様子を盗聴器で聞いていた麻子は爪を噛んだ。念には念を入れ、倉庫に盗聴器を仕掛けておいたのだ。
「哲也くん、戻るわよ」
運転席に命令した。ところが、何も返事がない。
「哲也くん、聞いてる?」
もう一度麻子が聞く。
運転手は口を開いた。
「それは無理だな」
思いがけない言葉に麻子は驚いた。
「どういうこと!?戻りなさいよ!!」
麻子が騒いでいる。
「麻子ちゃん、折角ふたりきりになれたんだよ?ちょっとくらい俺に付き合ってよ」
哲也は子どものように笑った。
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