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俺ははじめから全部にケジメを通してその後に、和真に会いに行くつもりだった。
学校と、家と、ばあさまと、順番に言うべき事は言った。
やっと和真だ。
ずっと声を聞いてない。聞きたい。
触りたい。すっげえ触りたい、全部。
「うわ、そうだ! 最後、俺、怒られたまんまだった。やばいなあ、そっからかあ……」
一切の連絡を絶って我慢してた分、考え出したら止まらなくなった。俺はいつの間にか急ぎ足になっていて、このまま和真のマンションまで行ってしまおうかと思った。
和真からもピタリと連絡はなかったから、向こうがどんな状況かはわからない。
でも会わなくたってわかる。
和真は俺の事を待っている。だてに幼馴染から一緒だったわけじゃない。
俺は上着のポケットから携帯を取り出した。久々にロック画面を解除する。
「なんだこれ」
目を疑う件数が表示されていた。
俺はすぐに着信記録に折り返し連絡をした。
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