3 秋の部屋……和真

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「かずま、かずま」 「も、やめ、ん、んんんっ」  意味のない名前の連呼は、その激しい動きに連動していて、突き上げられるたびに腰が反った。  涼太は切なそうに俺を見下ろしていた。その顔は、尖った輪郭と汗で濡れた前髪に縁どられて、ひどく大人びてみえた。涼太は俺の頬に手をあてて、確かめるように包み込んだ。 「好きだ」  前のめりになって囁く声は、子供なのか大人なのか。  回した腕をはずせない俺は、嫌なのか求めてるのか。  夢か現実か。  全部がぐちゃぐちゃに混じり合う。  涼太の後ろから突き刺すような日差しが眩しかった。 「……終わったら、すぐに帰れ」 俺はそうやくそれだけ言うと、目を閉じた。  頭の奥からうねるような眩暈が押し寄せてくる。その波に救いを求めて意識を委ねると、そのまま陽炎にみたいに世界が揺らいで、気が遠くなった。
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