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涼太はカップを置くと窓を開けた。粉雪がちらついている。
「うわ、もう道路が白い。和真どうする?」
「あ…うん。帰る」
頭がパンクしそうだ。
窓から身を乗り出して、珍しそうに雪を眺めてる涼太の横顔を正視できない。
もし正面に来られたらきっとわざとらしくうつむいてしまうだろう。目があったら、ないはずの瑞樹の面影を涼太に探してしまいそうだ。
「どうしよう、和真の分も夕飯の支度してたみたいだったけど、食べたら遅くなっちゃうかな」
「それはいいよ、いつも悪いし。遠慮しとく」
俺は熱いお茶を必死で醒ましながら、上の空で返事をする。
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