6.春の夜……和真

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 涼太が俺の中に入ってくる。  絡んだ四肢と密着した躰は、もっと一つになろうと足掻いてこすれあう。涼太の唇と指は、俺の肌を縦横無尽に刺激して、どこまでも俺を啼かせようとする。  もう桜の枝のざわめきも砂の音も聞こえない。  雑音の一切を締め出して、俺の中は涼太でいっぱいになる。  この選択が正しかったのか、間違っていたのかもわからない。ただ、もう後には戻れないことを知っている。  仕方ないのだ。  この体温を、求めてしまったのだから。  ―――――――――――心底、涼太を、欲しくなってしまったのだから。
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