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涼太が俺の中に入ってくる。
絡んだ四肢と密着した躰は、もっと一つになろうと足掻いてこすれあう。涼太の唇と指は、俺の肌を縦横無尽に刺激して、どこまでも俺を啼かせようとする。
もう桜の枝のざわめきも砂の音も聞こえない。
雑音の一切を締め出して、俺の中は涼太でいっぱいになる。
この選択が正しかったのか、間違っていたのかもわからない。ただ、もう後には戻れないことを知っている。
仕方ないのだ。
この体温を、求めてしまったのだから。
―――――――――――心底、涼太を、欲しくなってしまったのだから。
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