7.夏の夕暮れ……瑞樹

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『三人には共通の雰囲気がある。もとは他人でも、父さんと母さんには夫婦っていう繋がりが、瑞樹には間違いなくこの親の子だって共通点が。しっくりしてるだろ。けど、ここに俺が入ると浮いちゃうんだ』 『そんなことないってば!』  俺は悔しくて泣いた。  聞き分けが良くて、分別がついて、優等生の俺は駄々をこねたことなんかない。でも、涼太が家族でなくなっちゃう気がして、絶対に認めたくなかった。  涼太は小さい頃からやってたみたいに、優しく俺の頭を撫でた。 『瑞樹、俺ははっきりさせたかっただけで、父さんも母さんも瑞樹も、俺にとって何も変わんないんだよ』 『そうなの?』 『そうだよ、だから何で瑞樹が泣くのかわかんないよ』  涼太はティッシュで俺の顔をごしごし拭いた。  ああ、この雑さは確かに兄ちゃんだ。また元の生活が帰ってきて、仲良し家族でいられる。    俺は安心した。    ……だけど油断しなかった。
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