8.秋の嵐……涼太

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「あのさあ……そろそろ帰りなよ」  布団に二人でくるまっていると、お互いの体温が一緒になる。  普段から熱いぐらいの俺の肌も、手指の先がいつも冷えている和真も同じ温度になって、暑くもなく寒くもなく、日向水のような心地よさでいつまでも布団から出られない。 「もうそんな時間だっけ?」  俺はサイドテーブルの携帯に手を伸ばした。あっという間に夕方から夜にさしかかってる。 「そんな時間なんだよ。涼太は一回だけって言って、一回で終わったためしがないだろ」 「だってイイんだもん」  俺の露骨な答えに和真はしかめっ面をする。  その尖った唇を奪って文句を封印した。やわい弾力が可愛くてぎゅっと抱きしめる。  和真はどこもかしこも気持ちいい。  指を滑らせると滑らかな感触に歯止めがきかなくなる。腰の曲線から流れてそのまま太腿を撫でる。そしたらすぐ先の内側の濡れた熱に辿りつく。  閉じた足の間に割り入れた指は、敏感なところに潜った。思ったより深く突いたのか、んっ、って和真が甘い声で啼いた。 「ちょっ……と待って。もう駄目だよ」  和真は目を閉じたまま、俺の二の腕に額を押し付けた。  怒ったそぶりはしてみても、した後で少し眠っていたから、まだ半分はまどろみの中だ。昨夜も遅かったみたいだから無理もない。
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