880人が本棚に入れています
本棚に追加
「あのさあ……そろそろ帰りなよ」
布団に二人でくるまっていると、お互いの体温が一緒になる。
普段から熱いぐらいの俺の肌も、手指の先がいつも冷えている和真も同じ温度になって、暑くもなく寒くもなく、日向水のような心地よさでいつまでも布団から出られない。
「もうそんな時間だっけ?」
俺はサイドテーブルの携帯に手を伸ばした。あっという間に夕方から夜にさしかかってる。
「そんな時間なんだよ。涼太は一回だけって言って、一回で終わったためしがないだろ」
「だってイイんだもん」
俺の露骨な答えに和真はしかめっ面をする。
その尖った唇を奪って文句を封印した。やわい弾力が可愛くてぎゅっと抱きしめる。
和真はどこもかしこも気持ちいい。
指を滑らせると滑らかな感触に歯止めがきかなくなる。腰の曲線から流れてそのまま太腿を撫でる。そしたらすぐ先の内側の濡れた熱に辿りつく。
閉じた足の間に割り入れた指は、敏感なところに潜った。思ったより深く突いたのか、んっ、って和真が甘い声で啼いた。
「ちょっ……と待って。もう駄目だよ」
和真は目を閉じたまま、俺の二の腕に額を押し付けた。
怒ったそぶりはしてみても、した後で少し眠っていたから、まだ半分はまどろみの中だ。昨夜も遅かったみたいだから無理もない。
最初のコメントを投稿しよう!