9.秋の嵐……洸

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ドアに手をかけた和真を涼太が追いかけた。 「まてよ和真、送る」 「いい。一人で帰る」 間髪入れずに和真は涼太の手を振り払った。涼太はそれでも強引に追いつこうしたが、振り返った和真が嫌悪するように言った。 「……涼太のことが一番わからない」 それだけ言って、和真は足早に出て行った。 涼太がドアを蹴る。その乱暴な音が耳に刺さる。 俺はまだ、動けないままでいる。
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