突然のキス #2

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あれから二日が経ち、榊田さんによる褒美の効力なのか、やたらと仕事に精が出る私。 どんな仕事も進んでやるようになったし、早く企画部の人たちの力になりたいと必死で勉強している。  なんて単純女。 まさかこんな私の性質を見抜いてのキス? 恐ろしや、榊田蒼!  そんな罪深い男である彼は、やっぱりいつも忙しいらしく、姿を見ることはほとんどない。 たまにオフィスを横切り、自分の部屋へと入っていくけれど、目が合うなんてことは一度もない。 私の存在、まるで眼中になし!  自分の家に泊めて、キスもしたっていうのに、薄情な男だ。 彼にとってはこんなこと、取るに足らないことなんだろうな。 キスなんて挨拶程度に思ってるのかな? 家に泊める女も、日替わりで違うとか、そんなかんじなんだろうなぁ。  ため息を吐きながらサービスカウンターに向かう。 それでも榊田さん宛ての配達物届いてないかな、なんて思ってしまうんだから、私は相当馬鹿な女だ。  でもこの気持ちはきっと恋じゃない。 これはあれだ、ミーハー心というやつで、憧れの芸能人にハイタッチされたみたいな、そんなかんじだ。 でも、キスとハイタッチはだいぶ違うような……。
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