会いたいよ #2

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会いたいよ #2

トップにはトップにしか分からないややこしい事情があるのだなと思った。 口を挟むほどの知識もないので、ひたすら「うんうん」と相槌を打つ。 「世界中で愛されるゲームを作ることが俺の夢だったこともあって、アメリカに行って基盤を作り成果を上げてくれば、俺が社長になることに周りも賛成するだろうということで行ってきたんだ」 「ということは、半年で成果を上げて帰ってきたってことですか!?」 「そういうことだ」  さも当然のようにさらりと言った榊田さん。 どんだけ仕事できるの!  ていうか、そんな大事な忙しい時に毎日電話してきてくれたってこと!?  もしかして私、とっても愛されてるのかもしれない。  ついニヤニヤしてしまう緩んだ顔を両手で抑えながら、新たな懸念が浮かんだ。  榊田さんが社長になるということは、とってもおめでたいことだけど、今まで以上に忙しくなるし、仕事で接点ができることはほぼなくなるんだろうな。  社長には秘書がつくし、気軽に社長室になんて入れないだろうし……。 寂しいけど、受け入れなきゃ。 プライベートでは一緒にいられるわけだし! 合鍵も貰ったし!
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