オレオレ

5/8
前へ
/8ページ
次へ
次の日の夜も非通知の着信があった。 「もし、もし・・・」 「ちゃんとメシ、食ってるか?」 やはり、あのおばあちゃんの声だ。震える手でしっかりと携帯電話を握りしめ、 「う、うん。あのさ、電話番号教えたっけ?」 震える声で聞いた。 「孫の番号くらいわかるわ。何を言ってんだか。」 「そっか、そうだよね。」 「メシ、食ってないと思って、あんたの大好きな肉じゃが作っといたよ。食べにおいで。」 「いや、いきなりは無理だよ。忙しいんだ。じゃあ、ごめん、切るね。」 早々に電話を切ると、時計を確認した。「もうだめだ」一刻も早く携帯電話を変えたかった。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加