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次の日の夜も非通知の着信があった。
「もし、もし・・・」
「ちゃんとメシ、食ってるか?」
やはり、あのおばあちゃんの声だ。震える手でしっかりと携帯電話を握りしめ、
「う、うん。あのさ、電話番号教えたっけ?」
震える声で聞いた。
「孫の番号くらいわかるわ。何を言ってんだか。」
「そっか、そうだよね。」
「メシ、食ってないと思って、あんたの大好きな肉じゃが作っといたよ。食べにおいで。」
「いや、いきなりは無理だよ。忙しいんだ。じゃあ、ごめん、切るね。」
早々に電話を切ると、時計を確認した。「もうだめだ」一刻も早く携帯電話を変えたかった。
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