7人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の夜は、電話がかかってこないか恐怖と不安で眠れなかったが、次の日、朝一番に携帯電話を変えたことで気持ちが落ち着いた。
電話を変えた後は、すぐに家に帰って寝てしまった。昨晩寝れなかったこともあり、昼間から起きることなく夜中まで寝てしまっていた。起きたのは携帯電話の着信音が鳴り響いたから。
電話を変えたばかりで、着信音がいつもとは違うシンプルな電子音だった。寝ぼけ眼で、電話の液晶画面を見ると、『非通知』の文字が。
(まさか・・・)
戸惑い、出ずにいるのだが、着信音が止まらない。速まる鼓動、乱れる呼吸。
(出たくない。止まってくれ)
そう、願っていると着信音が止まった。
(よかった・・・)
そう、安堵した瞬間。
「おばあちゃんだよ。」
電話からおばあちゃんの声。液晶画面に『通話中』の文字。
「なぜ・・・」
「だって食べに来ないから。」
「持って来たよ」
『ピンポーン』
家の呼び鈴が鳴る。
最初のコメントを投稿しよう!