小さな親切

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小さな親切

ある商業ビルで、5階から下に降りるエレベーターに乗る。 中には小学校低学年と思われる少年が、箱の右奥に、 4人の家族連れが真ん中あたりに乗っていた。 私は家族連れを避けて、左奥に乗り込む。 2階に到着し、家族連れが降りて、少年とふたりだけになった。 習い事の帰りらしく、大きな鞄を持っている。 エレベーターが1階に到着したので、私は彼に先を譲ろうとする。 声をかけるまでもなく、少年がたたたっと軽快に走り出した。 と思ったら、扉横のボタンのところで立ち止まり、開のボタンを押してくれたのだった。 お礼を言って降りた。 ボタンの前に立っていても開ボタンを押さずに我先に降りようとする人もいるのに。 先に降りさせてくれた、というだけではない 小さな親切から感じる小さな幸せ。 自分も他の人に恩送りしていきたいと改めて思う
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