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頭を優しく撫でているような感じがした。
懐かしい夢を見ていたから錯覚したのだろうか。
なんか、手つきがしょうちゃんに似ていた。
そんなわけないのに、だってしょうちゃんは今頃生徒会補佐と…
そう考えると胸が締め付けられて涙が流れた。
それを優しく拭う指の感触がした。
違う、これは錯覚じゃない…?
ゆっくりと目を開けると、薄暗かった仮眠室が閉められていたカーテンを開けられ、明るくなり目を細める。
だから目が慣れてなくて俺を覗き込む人物が分からなかった。
床に座ってた筈なのにベッドで寝ていた。
「佐助様、気が付かれましたか?」
「…うっ、しょうちゃん?」
翔の声がする、これは幻聴なのか?
涙で醜い顔の俺の頬を撫でて俺の涙を再び拭く優しい手つきにまた涙が流れた。
心配そうに見つめる翔が愛しくて、大好きで幻覚でもいいからと抱きしめた。
翔は驚いていたが、恐る恐る背中に触れ慰めるように撫でていた。
俺は子供に戻ったように昔の呼び名で翔を呼ぶ。
今が謝るチャンスだと思い口を開いた。
「しょうちゃん、ごめんなさい…俺、しょうちゃんに後遺症を負わせて…」
「え?後遺症?…何の話ですか?」
しょうちゃん分 かってるくせに、知らないフリをするんだ。
…それがしょうちゃんの優しいところでもあり残酷なところだ。
俺はしょうちゃんから離れて腕に巻かれた包帯に触れるとやっと気付いたのかしょうちゃんは俺を見て…
「……もしかして、ずっとコレを気にしてたんですか?」
「そりゃあ気にするよ、だってしょうちゃんにまだ包帯を巻くほど酷い怪我を…」
俺の言葉を遮るようにしょうちゃんは包帯を解いていく。
…見なくてはいけないのに、見るのが怖い。
包帯全て床に落ちる。
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