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「構いませんよ、さっちゃんを待ってる間…さっちゃんの事を考えてられて嬉しかったですから」
相変わらず恥ずかしいな、と思いずっと入り口で固まる後輩を中に入れた。
しょうちゃんには前にパートナーに迷惑を掛けてしまったからお詫びをしたいと伝えたらしょうちゃんも責任を感じて頷いた。
後輩がやりたかったお食事会をしようとなった。
机をくっ付けて、後輩を座らせるとハッと我に返り俺に詰め寄ってきた。
「ちょっ!!どういう事なの!?な、なななんで」
「…サプライズ、迷惑掛けたから…」
「………ありがとう、僕のために苦労したでしょ」
初めて後輩が素直になって可愛く思えて頭を撫でる。
しょうちゃんにお願いしただけだから苦労はしていないが、俺達の接点を知らないと当然なのかな。
とりあえずしょうちゃんとは友達だと言ってある。
しょうちゃんの親衛隊は過激じゃないから俺と知り合いでも酷い事はしないと思う…滝川様の親衛隊だって知ってるだろうし、多分。
しょうちゃんの視線が痛くて離れる。
「じゃあ、食事会始めようか」
しょうちゃんの合図で三人だけの食事会を始めた。
それは昨日の食事会より楽しい思い出になったとしょうちゃんは話した。
今日の食事会は内緒だと後輩に言い満足した後輩は手を振り帰っていった。
まだ昼休みの時間があり、二人っきりでのんびり過ごした。
今からは恋人の時間。
指を絡めてしょうちゃんの肩に頭を乗せる。
俺は一人だと思っていた、両親にも愛されない俺なんか好きになる人なんていない。
でも、俺は勘違いしていた。
…身近にその人はいたのに気付かなかった。
「さっちゃん」と呼ぶ大切な人が…
その人と俺は身分が違う。
でも、それすらも乗り越えた先にあるのが真実の愛だと思う。
…彼と共に歩もう、明日への道を…
「しょうちゃん大好き」
「俺もさっちゃんが大好きです」
(END)
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