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そして俺は、出会った…ずっと会いたくて会いたくて仕方なかった人に…
何故か佐助様は昔の面影を感じないぐらいに根暗のような姿になっていた。
眼鏡をしないほうが貴方の顔がよく見えるのに…目が悪いようにも見えなかった。
……ただ、俺に知られたくなくて必死になっているのは分かった。
何故、避けるのですか?俺に会いたくなかった?
こんなに会いたかった気持ちは一方通行だったのかと佐助様がいなくなった空間で切なく胸が締め付けられた。
でも、それで諦められない…何年片思いをしてると思っているんだ…ちゃんと佐助様の口から聞くまでは追いかける。
佐助様が住んでいる場所を探した。
探して探して、ようやく突き止めた。
昔のように起こしに行き、身の回りの世話をしたいと考えて早朝、佐助様の家に向かった。
佐助様はやはり驚き呆れた顔をしていた。
しかし強く俺を拒まないから俺は佐助様の優しさに甘えた。
佐助様がいなくなってから、無心で統乃様をサポートしていて…こんなにお世話が幸せだった日があっただろうか。
ずっと、貴方と共にいたい…そう、望んでいた。
しかし佐助様ははっきりと俺を拒絶した。
もう会わないと…
絶望に打ちのめされて、辛く悲しかった。
しかし、佐助様を主と考えるなら従わなくてはならない。
言葉に出来ず、頷く事しか出来なかった。
…貴方の幸せが、俺の幸せだから…
ーーー
それからまた無の世界が広がった。
ただ生徒会の仕事をこなし、統乃様のサポートをする。
時々自分は何なんだろうと考える。
自分の存在理由が佐助様なら佐助様に拒絶された俺はいったいなんだ…?
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