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しかし両親は離婚した…理由は母の浮気だった。
母は昔から男癖が悪く、父も我慢ならなかったのだろう。
母は俺を引き取りたいと言った…理由?きっと養育費目当てだろう、母はそんな女性だ。
父は止めなかった…あんなに俺に期待していたのに…
母とこれ以上揉めたくないのだろう…
それに、支倉の家にはもう一人跡取りがいるから俺はいらないのだろう。
俺は母に引き取られた。
そして高校二年生の春、俺はボロアパートの茶色い薄汚れたテーブルに置かれた紙を掴んで震えていた。
『母さんと父さんは借金が返せないから夜逃げするわ、もう会う事もないだろうけど死ぬような迷惑はかけないでね』
泣きはしない、ただちょっと怒ってるだけ…
紙に書いてある父さんは支倉の父さんじゃない、母さんが再婚したホストみたいな見た目の借金まみれの男だった。
…そして俺に残されたのは生活費じゃなく、借金だけだった。
金持ちから借金まみれの貧乏人…最悪な転落人生だ。
バイトはしてるから多少貯金はあるが、借金まで返せる余裕はない。
…これからどうしようかと気が沈んだ。
俺の通ってる学園は有栖院学園という金持ちと一部普通の生徒が通う学園だった。
支倉の父さんが学費を払ってくれていて、とりあえず学費の心配はない。
そして俺は食堂の入り口付近にあるテーブルにとある集団と固まっていた。
「よし!それじゃあ今日もお声がけするぞ!」
『おー!!』
小さい体の見た目少女のような愛らしい少年はくりくりした可愛い目で周りを見渡す。
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