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ただの傍観者だったのにいきなり名前を言われ驚いた。
お前らの恋愛に俺を巻き込むな。
滝川や書記までもこちらを睨んでいる。
俺は誰とでもいいが、進藤は俺と二人三脚をする気満々だった。
「くっ、まさか貴方まで涼志を…」
「いや違うから」
変な勘違いをする前にこれだけは言っておこう。
俺が昔も今も愛しているのは佐助様だけだ。
会議が終わり皆それぞれ帰りの支度を始める。
まだ生徒会の仕事が残ってるから家に持ち帰って空いてる時間に終わらせようとまとめていると進藤がやってきた。
「なぁ翔!新入生歓迎会の時話したい事があるからいいよな」
「…いいが、手短にな」
進藤はニコニコしながら迎えに来た二人の生徒のところに向かった。
あれは確かサッカー部のエースと学園一問題児の不良…だったか。
二人共有名人だが、まさか進藤はあの二人とも仲がいいとは驚いたな。
…サッカー部のエースもあまりいい噂は聞かないから生徒会の迷惑にだけはならなければいいが…
そう思い、生徒会室は静かになり最後に出てドアに鍵を閉める。
「モテモテの生徒会長様だね」
「…統乃様」
窓を眺めながら統乃様がそう呟く。
からかうような声に困った顔をする。
俺なんかより統乃様の方がモテるだろうに…
「翔は俺の主になって後悔してるんだろ」
「……え?」
「本当はアイツの方が良かったんだろ」
アイツ…それは佐助様の事だろうな。
俺の想いを見透かしたような統乃様の瞳が少し怖く感じた。
俺は…
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