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…そう、少女に見えるがそれはありえない。
だって有栖院学園は男子校だから…彼も男。
そしてこの集団はなにかと言うと…
「きっ、きた!滝川様!今日も麗しいです!」
『今日も麗しいです!!』
まるでカエルの合唱のようにハモる。
そうしないと他の親衛隊の子に声で負けてしまうから…
この学園には人気者を影から見守る親衛隊という集団が存在していた。
人気者達を愛しているがあくまで謙虚に見守っている。
その代わり抜け駆け禁止とか規則は厳しく、破ったら制裁なんかする親衛隊もあるとか…
俺の所属する親衛隊は仏の親衛隊と呼ばれるほどのんびりした規則も緩い親衛隊だ。
だから俺は入ったんだ…別に滝川様が好きでも何でもないけど…
この学園の生徒はほとんどが人気者や親衛隊で別れていて親衛隊に入らないと逆に目立ってしまう。
…正直面倒な学園だが、影が薄くて今まで忘れられる事が多いからなんとかやっていける。
そうそう、俺の名前は東金佐助…前髪が長くてメガネを掛けている。
昔よく社交場とか行ってたからこの学園で俺が支倉の息子だと知ってる人物が結構いるから顔を隠している。
支倉の家には迷惑掛けたくないし…幸い俺の名前は知らないみたいで騒ぎにはなっていない。
別に素顔は美少年…というわけではない平凡な顔だ。
……一応保険で隠してるだけだ、もしかしたら何処にでもいる顔だから気付かれないかもしれないけど…
俺達滝川様親衛隊が声を上げたのと同時に食堂にこの学園で最も有名な四人組が現れた。
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