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まず最初は無口無表情な顔の生徒会書記、原田千景様…人見知りで気を許した相手以外と話さないらしい。
よく寝ているという情報しか知らない。
そしてそんな原田様が気を許している一人であるもじゃもじゃ頭の少年の名前は進藤涼志、去年転校してきた転校生なのに生徒会補佐に任命された。
色仕掛けしたとかいろいろ言われてるが、言われてもしょうがないのかも…実際生徒会二人が転校生に恋してるから…
俺は他人事だが親衛隊としては苦い気持ちなのだろう…仏の親衛隊と言われても恋する男の集団だからな(俺以外)
原田様と楽しげに話す転校生との間を割って入る美人な人がいた。
彼の名前は俺が親衛隊に入ってる生徒会副会長の滝川清隆様だ。
美人な容姿とは裏腹に中身が真っ黒な腹黒い性格だと言う。
この二人はお互いライバルのように転校生の取り合いをしているみたいだ。
この学園は男子校だからか異性が居ない反動で同性を恋愛対象にしてる生徒は少なくない。
…俺は小さい頃にした初恋以外恋をした事ないから関係ないけどね、俺みたいな平凡を恋愛対象にする奴もいないだろうし…
そしてそんな二人に全く興味なさげにさっさと先に行くのがチャラい容姿で可愛い生徒が思わず「抱いて」と叫んでしまいそうなほどだが本人は女好きだから男子生徒に興味がない生徒会会計、支倉統乃
統乃…俺の義理の弟であり、今の支倉家の次期当主だ。
…統乃に迷惑掛けないためにも俺は知られてはならないんだ。
しかし、昔は可愛かったのになんであんなになっちゃったんだ?
入り口でまだ喧嘩する二人を見て呆れた顔をする生徒。
「入り口で突っ立ってたら邪魔だろ、早く行くぞ」
彼は学園で一番人気があり信頼も厚い生徒会長、長嶺翔。
黒髪の男らしい整った顔立ちで容姿としても人気が高い。
そして今、統乃の執事をしている。
……元俺の執事だった男だ。
しょうちゃん……
彼は俺がこの学園にいる事を知らない…知らなくていい、今の俺は借金まみれの貧乏人…会わせる顔がない。
そう、思っていた…
「佐助様っ!!」
「…っ!?」
あぁ…最悪だ…こんなドジを踏むなんて…
名前は知ってるが俺の今の容姿は知らないからバレないと思ったのに…
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