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【王子の部屋】
「ノホ様、ノホ様」
あ、ガミさんだ。
「はい」
「またゲームなんぞなさって。貴方様はこのハポネス王国の王子なのですよ。もう少し自覚なさってください」
はぁ…好きで王子に生まれたわけじゃないだよね、もう王子なんかやめたいよ。
「宗教のお勉強の時間です。早く図書館においでください」
また勉強の時間か…
〈宮殿を出て庭園を通り図書館に向かうノホ〉
【図書館】
「今日は逃げずにいらっしゃいましたね。感心感心」
はぁ、また聖なる書物の研究ね…
「これ、難しいんだよな。あちこち飛んで調べないといけないし…今の時代パソコンが有るんだからさ、ちゃっちゃっとパソコンで調べれば良いのに」
「またそんな事を仰って。それにその言葉遣いは何ですか?!そんな事だから「のほほ~ん王子」なんて言われるんです」
のほほ~ん王子で結構です~
ゲームで色々な言葉を覚えたんだ。
言葉だけじゃない、王室に居ると外の世界のわからない事ってたくさん有る。
時代遅れなんだよな。
「わたくしはノホ様の事を思って申し上げているのです」
ああ、早く終わらせてゲームしたいよ。
「聞いておられるのですか?!」
「ハイハイ聞いてますよ、ガミガミ夫人」
「んまあ、わたくしの名前はガミです、ガミガミ夫人では御座いません!」
【サロン】
〈テーブルにお茶を運ぶ女官〉
「失礼致します。お茶をお持ち致しました」
「ありがとう。良い香りね」
「本日はミントティーでございます」
「お父様、またキタキョウ国がミサイルを発射しましたのね」
「うむ、我がハポネスに向けて発射しおった。牽制しておるのじゃよ」
「メリケン国はまだシルの国と戦争しているのでしょう?」
「ああ、そうじゃよ。今の時代世界の全ての国が軍隊を持っておるからな。いつどこで戦争が始まってもおかしくない状況なんじゃ」
「はあ、終わった終わった」
〈と言いながらノホが戻って来る〉
「お姉様、何の話し?」
「戦争のお話しよ」
「お前もこの国の王子なのだから、いずれ軍を指揮する事になるのじゃぞ」
「僕は嫌だな、戦争なんてゲームの中だけで良いよ」
「オッホン」
あ、イカリ将軍だ。
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