第1章 全ては僕の一言で始まった

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【王子の部屋】 「ノホ様、ノホ様」 あ、ガミさんだ。 「はい」 「またゲームなんぞなさって。貴方様はこのハポネス王国の王子なのですよ。もう少し自覚なさってください」 はぁ…好きで王子に生まれたわけじゃないだよね、もう王子なんかやめたいよ。 「宗教のお勉強の時間です。早く図書館においでください」 また勉強の時間か… 〈宮殿を出て庭園を通り図書館に向かうノホ〉 【図書館】 「今日は逃げずにいらっしゃいましたね。感心感心」 はぁ、また聖なる書物の研究ね… 「これ、難しいんだよな。あちこち飛んで調べないといけないし…今の時代パソコンが有るんだからさ、ちゃっちゃっとパソコンで調べれば良いのに」 「またそんな事を仰って。それにその言葉遣いは何ですか?!そんな事だから「のほほ~ん王子」なんて言われるんです」 のほほ~ん王子で結構です~ ゲームで色々な言葉を覚えたんだ。 言葉だけじゃない、王室に居ると外の世界のわからない事ってたくさん有る。 時代遅れなんだよな。 「わたくしはノホ様の事を思って申し上げているのです」 ああ、早く終わらせてゲームしたいよ。 「聞いておられるのですか?!」 「ハイハイ聞いてますよ、ガミガミ夫人」 「んまあ、わたくしの名前はガミです、ガミガミ夫人では御座いません!」 【サロン】 〈テーブルにお茶を運ぶ女官〉 「失礼致します。お茶をお持ち致しました」 「ありがとう。良い香りね」 「本日はミントティーでございます」 「お父様、またキタキョウ国がミサイルを発射しましたのね」 「うむ、我がハポネスに向けて発射しおった。牽制しておるのじゃよ」 「メリケン国はまだシルの国と戦争しているのでしょう?」 「ああ、そうじゃよ。今の時代世界の全ての国が軍隊を持っておるからな。いつどこで戦争が始まってもおかしくない状況なんじゃ」 「はあ、終わった終わった」 〈と言いながらノホが戻って来る〉 「お姉様、何の話し?」 「戦争のお話しよ」 「お前もこの国の王子なのだから、いずれ軍を指揮する事になるのじゃぞ」 「僕は嫌だな、戦争なんてゲームの中だけで良いよ」 「オッホン」 あ、イカリ将軍だ。
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