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 夜。ふと目が覚めたD君は、暗闇の中に緑色の光を見つけた。  それは机の上に置いていた、携帯ゲーム機のランプの明かりだった。  前述の通り緑色のランプは誰かとすれ違ったお知らせ。しかし今は真夜中で自宅の中。普通に考えて誰かとすれ違うわけがない。  いや、それ以前にD君は電源を消して寝ていた。つまりすれ違い通信は機能していないことになる。  直後、D君は聞いた。 『……イルヨ……ココニ……』  そのスピーカーを通したような小さな声は、ゲーム機から聞こえてくるようだった。  すると突然、暗闇に人型の白い物体が浮かび上がった。  白い物体はしばらく部屋の中を徘徊すると、やがてスゥッと消えていった。  この件で気味が悪くなったD君はゲーム機を売ることにした。  その前にデータを消去しようと、D君は恐る恐るゲーム機の電源を入れた。  そして、目を疑った。
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