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その夜、亜美の店へと向かった。到着したときにはちょうど店じまいのときで、二人は前に行った駅前のスナックまで亜美の車で行った。二人はビールで乾杯し、それから詳しく報告すると、亜美は真剣な顔で聞いていた。
「それで、どうするの?」
「こうなればトコトンやるだけだ。明日にでも先輩を訪ねて、警察に渡りをつける。どうやら、土井という男は極め付けのワルみたいだから、油断すると殺される可能性だってある」
「そうね……確かに注意が必要だわ」
「うん」
「明日は店が休みだから、私が神戸市北区の土地を調べてくるわ」
「いや、僕が行くよ。亜美ちゃんに迷惑はかけられない。それに、池田武夫が他殺だとすると、危険性が亜美ちゃんにまで及ぶことになるからね?」
「危険なことはしないわ。調べてくるだけよ。警察だって、茨木の事件だけでは動きにくいでしょう? もし神戸の事件が徳永早苗さんと同様の事件だとすると、警察はすぐにでも動けるんじゃないかしら?」
その通りだと思った。そうなると、警察は徹底的に土井一郎という男を調べ抜いてくれるという可能性も高まる。亜美と飲みながら、そんなことを思っていたが、そうなれば土井を追い込めるのだ。
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