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「どうしたんだい? 何を遠慮しているんだ。これで君は一気に資産家になるんだよ。それを躊躇する必要があるのかい」
「……」
「それに、僕を怒らせると、本当に恐ろしいことになるよ」
「それはどういうことですか」
「君の命は保証しないということだ」
「ハハハ……とうとう本性を現しましたね。それがあなたの裏の顔だ。人を人とも思っていない。邪魔になれば始末する。それがあなたの生き方なんでしょう?」
「なに!」
土井の顔が一層修羅の色を帯びてきた。
「徳永早苗さんはあなたの企みに気づいた。それであなたに噛み付いてきたが、あなたは何とか宥めようとして肉体関係まで持った。それで丸く収めようとしたが、早苗さんは納得せず、最後まであなたを糾弾した。それで、面倒になったあなたはあの池田武夫を使って殺害したのでしょう? そして、最後に邪魔な池田を始末した。どうです、違いますか」
「ハハハハハハ……何と逞しい想像力だねえ、ハハハ……」
「ありがとうございます」
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