5人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕がそんなに恐ろしい男に見えるかい」
「ええ、見えますね。あなたといると、明らかに殺気を感じますよ」
土井はギクリと身を仰け反らせたが、すぐに、「僕が本当にそんな恐ろしい男だったら、君はどうする気なんだね?」と尋ねた。
「どうするもこうするもないですよ。僕は徳永早苗さんの恨みを果たしたいだけです。それでないと、再び『金縛り』に遭いそうですからね」
「まだそんなことを言っているのかい」
「信じられないのなら、それでいいです。でも、これはすべて本当のことなんですよ。それがキッカケで僕はあなたのことをここまで調べ抜いたんだ」
「君がもし僕を告発するというのなら、僕も決して君を許さないだろう。言っている意味は分かるね?」
「僕を殺すということですか」
「殺すかどうかは分からないが、僕は必ず報復する。世の中には死ぬよりも辛いことがあるということがきっと分かるだろう……」
「覚えておきます」
俺はそれだけ言うと、席を立って社長室を出た。そして、その足で警視庁へと向かったが、そこには幸い堀田浩二とその兄が待っていてくれた。
土井との会話はテープレコーダに取っていたので、それとこれまでの証拠すべてを提出した。そして、すべてを警察に委ねることにした。
最初のコメントを投稿しよう!