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「この玉子焼きもイチゴが作ったのか？」
「そう、全部だよ」
「そうか」
………感想がない。
桔平はそのあと、ご飯と交互に一種類ずつおかずを口に運んだ。
………やっぱり感想は一言もない。
こっちは期待と不安で待っているのに。
もう我慢できない。
催促はしたくなかったけど、
「ねぇ、美味しいとか、美味しくないとか、何か言ってよ」
「不味いと言ったら可哀想だろ？」
「―――えっ、まずいのっ!?」
―――――ショック。
「冗談。旨いよ」
「なにそれ、取って付けたみたいに」
「悪い、俺の誉め言葉を待ってるお前の顔が面白くて、わざと黙ってた」
「おっ、面白いって、なにそれもう」
ずっと手をつけていなかったお弁当を、私はやけ食いのように、ぱくばくと口の中に入れた。
「おまえ料理上手いな、感心したよ。嘘じゃないぞ。本当に美味しい」
私は箸をとめて右を見た。
彼もこっちを向いている。
本心の表情で。
「……ありがとう…桔平にそう言って貰えると嬉しい」
「今度、うちでも作ってくれよ。弁当じゃなくて、出来立ての料理を」
「うん！ 作ってあげる！」
満面の笑みで返した。
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