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「―――えっ、なに!?」
マンションのエレベーターの中で、桔平がいきなり背後から抱きついてきた。
もちろん二人の他には誰もいない。
「早くイチゴに触れたくて仕方なかった」
「え、でも手は繋いでたでしょ」
「手を握ってるだけじゃ、俺には足りない」
彼の欲望が私の腰に当たっている。
「…………もう…硬いん…だけど…なんで…」
「こうしたいのを我慢してたから」
前に回した手が、胸を揉みしだく。
私の髪をかきよせて、後ろから首筋に口をつける。
彼の息が荒い。
「………んん……あ…」
私の首筋は、もう【くすぐったいゾーン】から卒業していた。
「今すぐにでも、お前を裸にしたい」
低い声。
デパートにいた時とは、まるで別人。
「いっ、いま、こんなとこじゃ」
「イチゴの恥ずかしい姿を、誰にも見せるつもりはないよ」
エレベーターの中には、防犯カメラがついている。
それを知ってるから、彼の愛撫は服の上だけに留まっていた。
12階に到着すると、彼は私の肩を抱いて、早歩きで部屋へと向かった。
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