小さな望み

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********** 玄関に入るなり、桔平は熱い口付けをしてきた。 それは野性的な、深い深いキス。 私の体はまだ、全部がこなれたわけじゃないけど、桔平に濃いキスをされると、自然に欲望のスイッチが入るようになっていた。 口内で暴れる舌を、捕まえるように私も絡める。 「……ん……はあ……はあ…あ…んん」 口の粘膜を刺激され、快楽が下の粘膜におりてきた。 自分でも濡れてるのが分かる。 ………そこにもキスして欲しい。 でもまだ、清潔な状態にしてからじゃないと抵抗があった。 「……ねぇ……シャワー浴びてくる」 「良いところなのに中断する気か?」 「……でもまだ…キスだけだし」 「そんなトロンとした目をして、感じてるんだろ? どうせ、ここだって…」 スカートをたくしあげ、ショーツの中に手を入れた。 「―――あっ、そんないきなり」 「………ほら、こんなに濡れてるじゃないか」 彼の指が、くちゃっ、と音を鳴らした。 「あ……やだ……恥ずかしいよ」 ―――くちゅ、くちゅ、くちゅ。 粘着質の水の音が、だんだん大きくなる。 「いい音。お前にも聞こえるだろ? 止めないでって、ここが言ってるのが」 「…う……ああ…ほんとに恥ずかしいから……そんなこと言わないで」 でも彼の台詞で、確実に感度が上がってきていた。 「洗い流すなんて勿体ない。俺が全部吸い取ってやるよ。イチゴの甘い蜜を」 指はずっと表面を撫でている。 膝がガクガクしてきた。 私の声も、腰も、震えている。   シャワーなんか、もうどうでもいい。 もっと気持ちよくなりたい。 もっと彼の口から、いやらしい言葉を聞きたい。 そして早く、 早く桔平と、ひとつになりたい。  
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