小さな望み

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「………挿れるぞ、いいか?」 「………うん」 まだ私の熱が冷めないうちに、 あそこが乾いてしまわないうちに、 彼は避妊具を装着したそれの頭を入口につけた。 ―――――入ってくる。 いつも最初は慎重に。 「苦しくないか?」 「……ん…平気」 彼の太くて熱い塊が進んでくる。 もう、痛くも苦しくもない。 前後に擦られる粘膜が気持ちよくて、 「………気持ちいい」 ちゃんと言葉で伝えた。 「俺も…気持ち良い…」 互いのその言葉が、表情に出てる。 けれど私はまだ、男性器でイクところまでは熟成されてない。 だから桔平は、私が【気持ちいい】を維持してる間に速度を上げる。 でも決して奥までは突かない。 それをすると、気持ち良いどころか強い痛みを与えてしまうことを、彼は知っているから。 「…………イチゴ……俺も…もう」 それは彼の合図。 「いいよ……イッて?」 体の揺れが強くなる。 離れないように桔平にしがみつく。 「……愛してる……イチゴ…」 「私も……愛してる……桔平…大好き…」 全力で走ってるみたいな彼の呼吸音が、やがてゆっくりになり、そしてベッドの軋む音もやんだ。  
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