小さな望み

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「これから毎日それを身に付けろ。勿論、会社でもだ」 「え、会社でも? だけどこんな高価な物、もし何かの拍子に取れて無くしちゃったら、」 「また同じのを買ってやる」 「同じのって―――」 そんなの、金持ち発言の何物でもない。 「けど、無くさないにしても、凛子に色々訊かれちゃうよ? 誰に貰ったのとか」 「だったら、自分で千円で買ったって言っとけ。どうせ違いは分からないだろ」 「―――なっ。でもどうして毎日にこだわるの?」 「それがお前の首輪だからだ」 「首輪?」 「イチゴが俺の物だっていう証しになる」 「別に、こうゆーのがなくったって、」 「俺が安心するんだよ。そのネックレスをつけたお前を、職場でも見る事ができれば」 「………そっか。桔平がそれを望むなら、私、毎日つけるね」 「それから、余程の用事がない限り、毎週末は此処に泊まれ」 「えっ、泊まり?」 「週に一度くらいは、イチゴの隣で眠りたい」 「………桔平…」 「それと時間を気にせずに、思う存分エロい事ができるしな」 ……………。 「私いま感動しかけたんだけど」 「悪い、冗談だよ。何もしなくても、イチゴを抱いたまま朝を迎えたい。そうしたいんだ」 「うん、分かった。私も桔平と一緒に眠ってみたい。じゃあ、泊まりの日は毎回ごはんを作ってあげるね」 「ああ、楽しみだな」  
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