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「中谷さん、なんか最近変わったね」
私が事務的な伝達事項を言い終えると、彼は仕事の顔から、素の顔に戻して言った。
眞島 拓也(ましま たくや)
26歳。独身。
有名ではない大学を卒業してから、この会社に就職。
仕事は真面目。
たぶん素行も真面目。
現在、彼女ナシ。
その程度の情報しか私は知らない。
だって彼に興味もないから。
「そうですか?」
「………なんか……その……前より綺麗になった……気がする」
彼は目も合わせずに、恥ずかしそうにうっすらと顔を赤らめて、そう言った。
―――――新鮮。
桔平の直球言動にすっかり慣れてしまった私には、眞島さんの仕草や、その言いずらそうに褒める感じが、
めちゃくちゃ、新鮮。
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