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俺は盆休みを利用して友人二人と海に来ていた。
「暑い……」
そんな言葉が無意識のうちに口から出てくる。 砂浜に刺したパラソル、敷かれたレジャーシート日陰に座ってはいるもののそれだけで夏の暑さを乗り切るには不十分だった。 汗をかいてしまったためにTシャツが肌に付いて気持ち悪い。東から徐々に昇る太陽に比例して不快指数も上昇していく。
「おい、まさこ。俺の携帯で動画撮ってくれない?」
「……ん?どうして?」
ぼーっとしてたせいか反応が少し遅れてし待った。友人の一人が話しかけて来たようだ。何の用だろうか。ちなみに俺の本名は秋口真明。まさこはあだ名である。なんでも、歴史上の人物の北条政子から取って来ているのだとか。名前を呼んだのは石島浩二、通称こうちゃん。このグループのリーダーであり、海に行こうと誘った張本人でもある。
「牧人のやつが飛び込むんだよ海に、あそこから」
こうちゃんが海の方に指を指す。指された方を見ると、牧人が、海に突き出した防波堤の上に立っていた。
「危ないからやめとこうよ」
日陰から出たくないのでそれなりの理由をこじつけて断ろうとしたが
「大丈夫だって、平気
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